言いにくい相手、怒鳴ってくる相手が苦手・・・

そういう相手に対して、もの申す時、

「相手を論破してやろう」、「私の正しさをぶつけてやろう」、

もしくは、凄く頑張って、

「相手の熱量より大きな熱量で(要するにキレて)怒鳴り返す」・・・

そんなイメージでもの申すと思っていませんか?

何も言わないよりはいいのかもしれませんが・・・

心理学で推奨するのは、怒りの二次感情を理解し、利用することです。

最初に”怒り”とは・・・という話なのですが、

怒りは、嬉しい、悲しい、怖い、といった、感情達の中でもかなり特殊で、

出し入れ可能の感情と言われています。

会社内を例に出すと、

「お前なにやってんだよ!!」と

頭ごなしに部下を怒っている上司が、更にその上の上司からの電話で

「あ、どうも~、いえいえ・・大丈夫ですよ~」と

急に声質や顔色まで変え電話で話す・・・

電話が終わると、また急に険しい顔になり、

「だから、さっきも言ったけど、お前なにやってんだって話なんだよ!!」

と怒りが戻る・・・

こんなシーンよく見ますよね?

そうなんです、怒りは出したり引っ込めたりできる感情なのです。

心理学的には、怒りの感情を引き出し利用する・・となります。

何の利用のために?・・・

コミュニケーションを短縮化するためです。

簡単に言うと、「1から10まで説明するのが面倒くさい、時間もない」

「9、10なんだ!!いいからやれ!!反論するな!!」

と怒鳴るような感じです。

私とあなたの関係で言うと、急に私が、

「怒られても気にすんな!!これだけわかればいいんだよ!!

あとは、考えるな!!どうせわかんないから!!」

と声を荒げる感じですね・・・

ちなみに当然1から10までがわかるわけではないので生産性は低いです。

職場では、緊急性を要する案件などがあり、

急いで早口で、遠くの人にも聞こえるように大きな声で、

言うしかなかった、という状況も往々にしておこります。

(ちなみにちなみに、あなたにとって、怒っていると感じているあの人は、

現場で早口、大きな声で言っているだけで、そもそも怒っていないかもですよ?)

いずれにしても、怒りはコントロールできます。

なので、その場では怒らないで下さい。

持ち帰って考えます・・

何を?・・・

”一次感情”をです。

人が怒るとき、まず一次感情が発生します。

一次感情の例では、悲しい、切ない、辛い、心配、不安、幻滅、などなどがあります。

その次に怒りの二次感情が発生します。

怒りの感情は伝達スピードが一次感情より速いです。

先に一次感情が沸きますが、二次感情の怒りが一次感情を追い越し、

感覚としては、

「なんか知らんけど・・・ムカついてきたあああ!!」

という感覚になります。

なので、記憶としても、

「あの一言にムカついた、ムカついた以外の感情はない!!」

と記憶メモリにインプットされてしまいます。

しかし、必ず一次感情が先にあります。

怒りだけの感情はありえないとされています。

つまり、”(悲しみ、心配、不安など)→怒り”と発生していることになります。

例を出すと、

よくドラマで子供が夜遊びかなにかして、

迷子になって、夜中主人公に連れられて家に帰ってくる、

待っていたお母さんが、

「馬鹿!!なにやってたのよ!!」

バシーンとビンタ、次の台詞で

「心配したんだからね・・・」

というシーン、

あなたにもないでしょうか?

大切な人がいつまでも帰ってこない、

「どこにいるんだ、連絡も取れないなんて・・・」

「事故にでもあったのかな・・・」

帰ってきたら

「なにやっていたんだ!!」

と怒鳴ってしまう。

こんなシチュエーション・・

「なにやっていたんだ!!」

と怒鳴っている瞬間、最初の心配していたこと

忘れていませんか?

これが一次感情です。

なので、行動面としては、

苦手なブラック上司といわれている人に怒鳴られる、

「自分を大切にするために何か言わなきゃ」と思う。

「何とか自分の正しさを主張しなきゃ・・」

「私には労働基準法がついてる・・・」

「なんか、ムカムカしてきたぞ・・・」

あ、ちょっと待って下さい。

ここで一次感情を感じてください。

”お前はやる気あるのか!!”っていう言葉・・・

私・・・とても傷ついている・・・悲しい・・・

やる気はあるのにそんなことを言われるなんて・・・

そんな風に一次感情を感じます。

中々感じなければ、その場はひたすら謝りましょう・・

後で、ゆっくり一次感情を感じてください。

そして、言葉で言うのが難しければ、メールでゆっくり

伝えてください。

一次感情で気がついた感情を伝えてください。

ここもポイントです。

”感情で伝える”のではなく”感情を(言葉で)伝える”のです。

あなたに認められていると思って、やってきた作業ですが、

何もできていない!!と強い口調で言われてしまい、

とても悲しい気持ちになりました・・

私もその仕事がちゃんとできないことがとても不安なのです・・

など・・・

相手に辛かった、悲しかった、不安になります、と伝えてください。

きっと相手の対応も変化してくるはずです・・・

私を大切に扱って・・・

これをちゃんと主張することです。

怒りの二次感情をご理解頂けたでしょうか?

あなたが感情を言葉で伝えることができるよう

お祈りしています。