色や音は幻想

「あなたがすべてを創っている」

私のカウンセラーの師匠の今泉さんがよく使う言葉ですが、(他のカウンセラーや心理学者もよく使います)
私は以前、この言葉が、「心理学的な考え方としてはね・・・」
「そういう立ち位置で考えると物事が上手くいくよ・・・」
という意味合いを含んでいて、「物理的や科学的には違いますよね・・・」と思っていましたが、

今は、

「カウンセラーとしても、心理学的にも、物理学的にも、科学的にも、すべては自分が創っている」と確信しています。

あなたが嫌なあの人から言われた辛い言葉は、あなたの耳の鼓膜の振動でしかありません。

あなたが見下してきたと感じた、嫌なあの人の顔の表情は、あなたの目に入ってきた電磁波でしかありません。

そこには、嫌なあの人など存在せず、鼓膜の振動と電磁波の波長しかありません。

嫌なあの人はあなたの創り上げた幻想なのです。

 

色は存在しない

リンゴの赤や山の緑も本当は存在せず、幻想だという話です。

中学生くらいの理科で、色は物体に当たった光が反射して、目に入ることにより色が見えると教わったと思います。高校で科学を習って覚えている方は、色は電磁波の波長の長さで違って見えるという知識もあるかもしれませんね。

少し整理すると、780nm(ナノメートル)から380nmまでの電磁波の波長を人は色と認識します。(人の目で認識できる範囲の波長で、可視光と呼んでいます。)
赤色が780nmから620nmくらい橙色が620nmから590nm・・・・
紫色が450nmから380nmというようにザックリとですが決まっています。(下の図を参照して下さい。)

電磁波

因みに、380nmより波長が短くなると紫外線(100nmくらい)と言われます。(並べると紫より外に位置する)紫外線より短くなるとX線(0.01nm)ガンマ線(0.00001nm)といった放射線になります。逆に波長が長くなると赤外線(1000nm)、電波(1,000,000nm)となります。波長が短いと人体に危険で長いとある程度安全ということになります。

さて、科学の話はこの辺りにして、要は目に入ってくる情報は「色」ではなく、電磁波の波長だということです。波長が長すぎても、短すぎても見えません。
可視光の780nmから380nmまでの電磁波の波長が複雑に目に入ってきているだけになります。
明るい、暗いというのはその電磁波の強さを表します。
科学的に言うと、赤色は、780nmくらいの電磁波が目に入ったとき、それを脳内で無意識が「赤色にペイントして脳内のキャンバスに表す」とう変換を行います。その状況を人は「赤色を見た」と認識しています。

つまり、比喩ではなく、本当に色は幻想なのです。

自然界にあるのは、物質と電磁波だけなのです。しかし、我々は色も何もない環境で「脳内で電磁波を色に変換する」という機能を持ち、色鮮やかな景色に感動したりするのです。
そう考えると何て美しく、素敵な機能だと思えませんか?

 

紅葉

音も存在しない

音も幻想です。科学的には耳の鼓膜の振動を情報として取り入れ、脳内で「この振動から計算すると、どういう音で、どのくらいの距離から発生したのか」などの情報を逆算して、瞬時に理解するというもの凄い離れ業をやっている機能です。

つまり、鼓膜の振動に対し、無意識が1メートルくらいの正面少し右の、地面から1メートル50センチくらいの位置から音源が発せられた。と幻想を脳に与えます、視覚の情報と混ざって、「正面少し右の”人”と思われる物体の口のあたりから、言葉というものが発生されたらしい」と幻想に幻想が加わります。

「目の前の人がしゃべっているんだ!!」と直感的には認識しますが、違います。

無意識が鼓膜の振動から逆算して、「その人がしゃべっているように思わせている」のです。

耳から入ってきた情報は、振動(この場合は空気の振動)それだけです。

 

耳をすます

 

味覚も幻想です。
接触した物質の成分を分析する機能が脳で変換され、「甘い、苦い」などを作り上げます。

嗅覚も幻想です。
味覚と同じ感じで、こちらは大気中の成分を分析し、「香ばしい、臭い」などを作り上げます。

触覚も幻想です。
こちらの説明は長いので割愛しますが、「痛い、触っている」などの感覚も幻想です。
一つ面白い話で、皮膚で多くの触感を得ていると思いますが、実は体表面の細胞は、角質層と呼ばれる細胞で、全て死んでいる細胞なのです。(皮の内側は生きている細胞です)
神経も通っていないし死んでいる細胞が、「触っている」と感じる時点で実はおかしいのです。
さて、これで、五感の視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚全て幻想となりましたが、
要するに、全て幻想ということです。
イメージは暗闇に脳しかないような感じです。

 

暗闇に浮かぶ脳

 

 暗闇にポツンと浮かんでいる脳が、五感というセンサーを使って仕入れた情報を、無意識がセッセと変換し脳内でイメージ化します。これを私は幻想と言っています。
五感が仕入れた情報に意味があるのかないのかもわかりません。
真実なのかどうかもわかりません。(私は、意味や真実は、脳内で情報を変換する時に無意識に決めているという理解です。)
幻想であるなら、創り上げたのは誰なのか?
あなた以外の誰でもありませんよね?(正確にはあなたの無意識が創っている)

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